2016-09-30から1日間の記事一覧

VI

月と星ぼしが光り輝いていた空は、何時の間にか分厚い雲に遮られた。月明かりのなくなった世界は、一層闇に包まれ、全てを食い尽くしていた。世界の傍らに光る花々は自らの存在を確かに示すが如く、僅かに地を蒼く照らしている。 「月光草、という名前でした…