番外編

とある少年のちょっとしたこと。

何度目の朝だろうか。もう数えるのもやめた。 妙に気だるい体を無理に起こして料理を作る。いつものこと。 「いって」 ぼーっとしていたからだろう、包丁で切られたそこは薄く血が滲んだ。しかし、傷は瞬く間に修復していく。はぁ。大きく溜息を吐いた。 こ…

とある少年のちょっとしたこと。

死にたくない。 ただ、それだけだった。事の始まりは、自身が抱いた小さな疑問だった。 「人は死んだらどうなるのか。」 僕らはそれを知らない。良い事をしたら天国に行き、悪い事をしたら地獄へ行く。転生する。星になって人々を見守り続ける。様々な言われ…

とある少女のちょっとしたこと。

この時が永遠に続けば。 そう思ったことがある人なんて、何人もいると思う。 それが、こんな形で叶うなんて誰が思っていたでしょうね。 今日もひとりでお墓の手入れ。 誰も入ってこないこの場所を、大切に守り続けるのが私の仕事。 「よく眠れているかしら?…

Tote Tochter

おきたら おいしくなさそうな ひと が いた おはよう かろんちゃん ぼくはたべないでね きみがたべるのは こっちだよ おいしくなさそうな ひと は そういって ひだりをむいた でーぶるのうえに おいしそうな ひと が いた たべていいの おいしくなさそうな …