とある少年のちょっとしたこと。

死にたくない。
ただ、それだけだった。

事の始まりは、自身が抱いた小さな疑問だった。
「人は死んだらどうなるのか。」
僕らはそれを知らない。良い事をしたら天国に行き、悪い事をしたら地獄へ行く。転生する。星になって人々を見守り続ける。様々な言われがあるが、それはあくまで想像でしかない。だから皆、死を恐れる。それでも、どんな生物であれ産まれたら必ず死ぬ。それが自然の摂理であり、僕ら自身がそれを変える事も、抗うこともできはしない。
僕もその1人だった。今、“自分”を形成してる精神は、何処へ行く?肉体は後に腐敗して消え失せる。その時自分の精神は、心は、何処へ行く?決してそれはわからない。それなのに、何故、どうして、人は死を受け入れる?何故抗おうとしない?
だから僕は、踏み込んではならない領域に足を踏み入れた。
ひたすら学び続けて気づいた。気づいてしまった。『死』というものが最大の救済であると。そして、心というものの存在を裏付けるものが、何ひとつ存在しないことを。

それでも僕は怖かった。
死にたくはなかった。
だから、仲間を連れて、僕は

僕は、悪くない